これで完璧!大切な服を傷めない・長持ちさせるアイロンのかけ方
大切な服をきれいに保ち、長く愛用するためには、適切なお手入れが欠かせません。中でも、シワを伸ばし、服の形を整えるアイロンがけは、服の印象を大きく左右する重要な工程です。しかし、「アイロンで生地を傷めてしまったらどうしよう」「テカりが出るのが怖い」「素材によってどうすれば良いか分からない」と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
正しいアイロンがけの方法を知っていれば、大切な服を傷めることなく、まるで新品のように美しい状態を保つことができます。さらに、繊維の形を整えることで、服そのものが長持ちすることにも繋がるのです。
この記事では、大切な服を自宅で安全に、そして効果的にアイロンがけするための準備から基本、素材別の注意点まで、ステップバイステップで詳しく解説いたします。この記事を読めば、もうアイロンがけに戸惑うことはありません。自信を持って、お手持ちの服のお手入れができるようになるでしょう。
アイロンがけを始める前の準備
アイロンがけを成功させるためには、事前の準備が大切です。まずは必要な道具を揃え、服の状態を確認しましょう。
必要な道具を揃える
- アイロン本体: スチーム機能付きのものが便利です。温度調節ができるか確認しましょう。
- アイロン台: 安定していて、かけ面が平らなものを用意します。袖用など部分的なアイロン台があると、よりきれいに仕上がります。
- 霧吹き: スチーム機能がない場合や、より強力にシワを伸ばしたい場合に有効です。
- あて布: 生地のテカりや傷みを防ぐために非常に重要です。綿100%の薄い布などが適しています。
- 洗濯ネット: 洗濯後の服を干す際や、デリケートな素材の保管にも役立ちますが、アイロン台の上に敷いて使うこともあります。
洗濯表示を確認する
服についている洗濯表示タグは、まさに「服の取扱説明書」です。アイロンのマークを確認し、推奨される温度(低・中・高)や、あて布が必要か、スチームの使用が可能かなどを必ずチェックしてください。この表示に従うことが、服を傷めないための最も基本的なルールです。
服の状態を整える
アイロンをかける前に、服が完全に乾いていることを確認します。半乾きの状態で高温アイロンをかけると、生地を傷める可能性があります。また、ホコリやゴミが付いていないか確認し、軽く払っておきましょう。ボタンやファスナーは開けておくと、アイロンがけがしやすくなります。
正しいアイロンのかけ方:基本ステップ
準備が整ったら、実際にアイロンをかけていきます。基本的な動かし方や、スチーム・ドライの使い分けを知っておきましょう。
温度設定とあて布の活用
洗濯表示で確認した温度にアイロンを設定します。低温から試してみて、シワの取れ具合を見ながら温度を上げていくのが安全です。
特に化学繊維や濃い色の生地には、必ずあて布を使用してください。あて布をすることで、直接熱が生地に伝わるのを和らげ、テカりや焦げ付きを防ぐことができます。あて布の上から霧吹きで軽く湿らせると、スチーム効果が高まり、よりシワが伸びやすくなります。
基本的な動かし方
アイロンは、一方向にスライドさせるように動かすのが基本です。特にスラックスの折り目などは、端から端まで一気にプレスすると綺麗に仕上がります。ゴシゴシと往復させると、生地が歪んだり傷んだりする原因になります。
スチームとドライの使い分け
- スチーム: 綿や麻などの天然素材、頑固なシワにはスチームが効果的です。蒸気が繊維を柔らかくし、シワを伸ばしやすくします。ただし、デリケートな素材や水を嫌う素材(シルクなど)には不向きです。
- ドライ: スチームが使えない素材や、パリッと仕上げたい部分に適しています。あて布と併用することが多いです。
部分ごとのコツ
- 襟: 裏側からアイロンをかけ始め、表側から形を整えるように仕上げます。先端から内側に向かってかけるとシワになりにくいです。
- 袖口: 筒状のアイロン台を使うか、縫い目に沿って平らに置き、内側からかけます。
- ボタン周り: ボタンを避けて、ボタンの間を細かくかけます。難しい場合は、服の裏側からかけるとボタンに熱を当てずに済みます。
素材別のアイロンがけ注意点
素材によって熱への耐性や特性が異なります。大切な服を傷めないために、素材ごとの注意点を必ず守りましょう。
- 綿・麻: 高温に強く、スチームも有効です。霧吹きやスチームをたっぷり使い、しっかりプレスするとパリッと仕上がります。
- ウール: 中温〜高温、必ずあて布を使用し、浮かせながらスチームを当てる「浮かせアイロン」がおすすめです。直接アイロンを押し付けるとテカりや型崩れの原因になります。
- シルク: 低温設定でドライアイロンが基本です。必ずあて布を使用し、強く押し付けず、軽く滑らせるようにかけます。水滴が付くとシミになることがあるため、霧吹きやスチームは厳禁です。
- ポリエステル・アクリルなどの化学繊維: 低温〜中温で、必ずあて布を使用します。高温だと溶けたりテカったりしやすいので注意が必要です。スチームは素材によりますが、あて布の上から軽く使う程度が良いでしょう。
- レーヨン: 水に弱く縮みやすい性質があります。低温〜中温のドライで、あて布必須です。力を入れすぎず、手早くかけるのがコツです。
アイロンがけ後の仕上げと保管
アイロンをかけた直後の服は、熱と湿気を含んでいます。すぐに畳んでしまうと、再びシワになったり、湿気がこもってカビの原因になったりすることがあります。
アイロンがけが終わったら、すぐに畳まずにハンガーにかけ、風通しの良い場所で熱と湿気をしっかりと逃がしましょう。湿気が完全に抜けてからクローゼットにしまうことで、服を良い状態で保つことができます。
まとめ
大切な服を長くきれいに着るためには、アイロンがけは避けて通れないお手入れです。しかし、適切な方法と素材ごとの注意点を守れば、自宅でも安心して、プロのような仕上がりを実現できます。
- 事前の準備:洗濯表示の確認と道具の準備をしっかりと。
- 基本を守る:適切な温度設定、あて布の活用、一方向へのアイロンがけを心がける。
- 素材を見極める:それぞれの素材に合った温度やスチームの使い分けを実践する。
- 仕上げを丁寧に:アイロン後はすぐに収納せず、しっかりと熱と湿気を抜く。
これらのポイントを押さえるだけで、お手持ちの服は見違えるように美しくなり、寿命もぐっと延びるはずです。ぜひ今日から、大切な服への愛情を込めて、丁寧なアイロンがけを実践してみてください。きっと、服との関係がより豊かなものになるでしょう。